【第8回】円形脱毛はどうして起こるのか②

【第8回】円形脱毛はどうして起こるのか②

前回、脱毛症の根本的な原因について紹介しました。

日照りで花壇の花が枯れること、山の森が枯れること、林が枯れること、隣の芝生が枯れること、関係する要因は多少違うでしょうが、これらには、お水が足りなくなって枯れるという共通した原因があります。

共通の原因は水(血液)の不足、つまり血流障害であると言いました。それでは、男女別の脱毛症に関与する要因について述べてみましょう。

男女別の脱毛要因

女性の脱毛原因は更年期のホルモンバランスの変化

女性の脱毛を例にとると、更年期の脱毛がこれにあたります。更年期は自律神経がとても敏感になります。

ホルモンバランスが変わり女性の体調が変化すると、交感神経の緊張が強くなり、血流障害が起こります。この結果、「薄毛、白髪、コシがなくなる、枝毛」などの症状が出てくるのです。

女性の脱毛はこのような機序で起こりますが、壮年性脱毛は遺伝的な関係は否定できません。「子供をみると、親が分かる」ということは日常的に経験することですが、親子はとても似ているもので、これが遺伝的要因でなければ何でしょう?

しかし親が脱毛なら子供も必ず脱毛というわけではありませんね。抜け始める時には必ずある条件があります。

壮年性脱毛症の原因は不摂生からくる男性ホルモンの過剰分泌

男性の脱毛は男性ホルモンがやり玉に挙がりますが、なぜ男性ホルモンが増えるかということを考える人は、これまた皆無に近いでしょう。

働き過ぎや、頑張りすぎ、夜更かし、タバコなどの無理な生活が大きな誘因となって男性ホルモンが余計に出るのです。この男性ホルモンが脱毛症の原因の一つであることは、皆さんご存じでしょう。「寝不足、深酒、ストレス、食事」などの不摂生な生活が誘因となって、壮年性脱毛が進むということです。

また、慢性的なストレスと血流障害によって、エネルギー(気)は低下します。それをカバーするために男性ホルモンや内因性のステロイドホルモンの分泌が増えてしまいます。これが壮年性脱毛の根本的な原因です。

その結果をみていると「壮年性脱毛は男性ホルモンの過剰」という見解が生まれてしまうのです。抗男性ホルモン剤の内服はある程度効果がありますが、あくまでも原因を知って対策をとらなければ、根本的な解決は得られません。

皆さんこんな考え方は初めてではありませんか?対症的にではなく、その本質(原因)を理解するのが、病気を治すには1番有効で、効率の良い方法です。

現代医学では理解されない「原因と結果の法則」

「本質(原因)を理解するのが、病気を治すには1番有効」、この理屈は分かっているようで分かっていません。

自律神経病研究会で研究している安保理論は、あらゆる病気に存在する「原因と結果の法則」をとても簡明に説明するものなのです。あまりに分かりやすいので、現代医学では無視されてしまうのです。

現代科学は綿密な実験や統計的なものを重視しますから、この原因のところは触らないのです。出てきた症状を改善させることが治療の目的になってしまいます。現代医学で治らない病気が増えているのは、対症療法ばかりの医学に偏ってしまったからなのです。

一般の方がこのように本質論を理解するようになると、医療者も本質論に目を向けるようになると思います。あらゆることにこの理屈はつながりますので、ぜひ、物事の本質をみるようにしてください。

これらの点を理解して、自律神経が活発に働くように生活を見直せば、脱毛の進行は防げるはずです。

円形脱毛の発症は免疫反応の強さが大きな要因

円形脱毛に戻りますが、原因論で言ったように、ストレスが原因で自律神経の緊張が続いた結果、免疫反応が起こり、円形脱毛が発症すると考えるのが妥当だと思います。その免疫反応が強い時には、頭だけでなく全身の体毛まで抜けるような強い症状となり全身脱毛となってしまうのです。

私の経験上、三カ月くらいストレスが続くことがこのような反応のきっかけになっていると考えています。これは患者さん本人に自覚のないことが多いので話をよく聞かないと引き出せないことも多いのです。このように「ストレスの自覚がない」ために、ストレス説が認められないのです。

なぜ三カ月かというのも不思議な話ですが、植物に例えると分かります。

1週間雨が降らなくても草や木は枯れませんが、これが三カ月くらい続くと枯れてきますね。それと同じイメージを持つと理解できると思います。

話は戻りますが、円形脱毛症は免疫反応の強さで単発なのか、全頭になるか分かれるので、免疫の反応の強さが大きな要因と言えるのです。目からウロコが落ちてくれると良いと思います。(図は私の考えと皮膚科治療の違いを示しています。)

円形脱毛の治療

円形脱毛が発症する3段階の流れ

皮膚科の治療は完全に局所療法もしくはステロイドの治療です。一方、矢印で示した流れは、私がたどり着いた円形脱毛発症の理論です。これを説明するのに「川の流れ」を例にとることがあります。

円形脱毛が発症する流れを下記にまとめましたので、ご覧ください。

  1. 1.ストレスが持続すると交感神経緊張が起こり、血流障害から毛包の組織に出来損ないの細胞や、早死にする細胞ができる等の混乱が起きる。
  2. 2.これに対する身体の反応として白血球が細胞を片付ける。これが持続すると応援団を呼ばなければ、間に合わないような状態になってくる。
  3. 3.この応援団が毛に強い免疫反応を起こして円形脱毛が発症する。

ということですね。

ここでは、円形脱毛が発症する流れをお示ししましたが、ご理解いただけたでしょうか。ガッテン、ガッテン、ガッテンと鳴らしていただけたら幸いです。

ただし、これはあくまでも仮説としてください。皮膚科学会から文句を言われるとやっかいなので、よろしくお願いいたします。図では、円形脱毛の西洋医学的な治療が四角に囲って示してありますが、主なものが示されています。

次回は、この皮膚科治療の効果を発表した某大学の論文がありますので、これを参考にして皮膚科治療の効果を検証してみましょう。

おわりに

「円形脱毛の発症の仕組みを西洋医学的と東洋医学的」に説明するのにやはり2回かかりましたね。円形脱毛の原因について、2回の西洋医学的な説明でご納得いただけたのではないでしょうか。東洋医学的な考え方は「針治療の結果」をお示しする時に書きたいと思います。

著者情報

永野剛造(医学博士・日本自律神経病研究会理事長)

永野先生

昭和50年:慈恵医大卒業・麻酔科研修開始
昭和52年:慈恵医大麻酔科入局
昭和59年:富士中央病院麻酔科部長
昭和62年:慈恵医大皮膚科入局
平成3年:同退局
平成4年:永野医院を開業し、現在に至る

  • ・円形脱毛症などの脱毛症やアトピー性皮膚炎などを、西洋医学と針などの東洋医学を併用して治療にあたっている
  • ・16年前から安保徹先生、福田稔先生と自律神経と免疫の研究を行い、現在、「自律神経病研究会」の理事長をつとめる
  • ・独自の波動測定によりエネルギーの研究、治療を得意とし、脱毛症の治療に特別な成績を残している。

 

免責事項
本稿で引用されている専門家や組織の見解と意見は、あくまでも各自のものであり、必ずしも属する機関や協会、またディーエムソリューション株式会社の意見を代表するものではありません。 本記事に記載されている情報は、他の専門家によるアドバイスとは異なる可能性があります。特定の健康上の懸念がある場合は、個別事象の専門家に直接ご相談ください。

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